地に足のついた学際的アプローチ

岡田 彩

(同志社大学政策学部 助教・地球社会専攻修士課程 2005年3月修了)

「途上国」と呼ばれる国々で、厳しい生活を強いられている人々の生活を変えるために、日本人である自分には何ができるのか。学部時代、ワークキャンプや国 際協力NGOでの活動を通して見つけた答えは、「日本で暮らす人々にこの問題を伝え、関心を持ってアクションを起こしてもらえるよう、働きかけること」で した。実際、NGOでそうした活動に従事する中で、人々に伝える内容は自明ではなく、NGOや担当者による恣意的な情報や背景にある価値の取捨選択により 形成されていると考えるようになりました。どのような国際協力の見せ方が望ましいのか。なぜ、ある一定の見せ方が採用される傾向にあるのか。考えれば考え るほど、答えの見つからない疑問が出てきました。開発の問題でありながら、教育とも関わり、またNPO・NGO論や広報・マーケティング論とも密接な関連 を持つ問いを追求するに当たり、「問題に焦点をあてて考えていくこと」「現実的な解決を志向すること」を重視する地球社会専攻は、私とって非常に魅力的な プログラムでした。

入学当初から、このように自分の問題関心を明快に説明できたわけではありません。地球社会専攻で、教育社会学と開発社会学を学びながら、自分の問題意識を学術的に捉える術と言葉、スキルを身に付けながら、自分が何を疑問と思っているのか、何を知りたいと考えているのかを、はっきりと理解できるようになりました。その過程で、日本ではあまり展開されていない研究アプローチが海外で行われていることを知り、博士課程進学後、米国大学院への留学を決意し、結果的にはそちらでPhDを取得しました。

現実的な問題の解決を志向する研究の多くは、ともすると「学際的」という表面的な言葉で括られてしまいがちです。しかし地球社会専攻では、「地に足のついた学際的アプローチ」を体得することができました。私は「政策学」と呼ばれる分野でPhDを取得し、現在も「政策学部」に籍を置いていますが、「社会学に根ざした政策学」が専門であると自信を持って言えるのも、地球社会専攻でのトレーニングのおかげだと考えています。

現在は、大学教員として研究を継続しながら、日本の大学生に「途上国」で起こっている様々な問題を伝え、ともに解決策を考える毎日を送っています。私なりにできる「国際協力」の一つとして、非常にやりがいを感じる仕事です。

今、目の前にある社会問題をどうにか解決していきたいと考えている方。現在の政策や解決アプローチでは不十分だと考えている方。自分が知りたいと思うことが、「○○学」の何に属するのか明確に分からない方。そんな方に、地球社会専攻をお勧めします。